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【書評】三宅乱丈 『イムリ』 【ひとことレビュー#11】


書籍の表紙

角川ビームコミックス(マンガ:全26巻)2006~

呪術を使う世界を舞台としたSF作品。社会を支配する民族カーマは、極度に競争化され人を出し抜き欺きながら絶大な権力構造を維持している。その特権階級は侵犯術と呼ばれる呪術を使う呪師たちで構成されている。

 

また、社会を実際に動かしているのはイコルと呼ばれる奴隷民族。閉鎖空間での強制労働の中で、壁の向こうで自由になることを夢見ているが、実際に壁を出た先にあるのは、心を殺されロボットとして使い捨てにされるディストピアしかない。

 

そしてカーマ-イコル社会の外側にまつろわぬ民イムリがいる。彼らはさまざまな環境に適応した小集団に分離しており、統制された社会とはまったく別の社会を営んでいるが、文明社会であるカーマたちによって徐々に滅びの道へと知らぬ間に追い込まれている。

 

そんな中、カーマの青年デュルクが、さまざまな偶然と必然が重なり合う中で社会の現実に徐々に気づき、イムリの人々の中でより良い社会を作るための孤独な闘いを始めて行く。現代社会の映し鏡として新自由主義的、植民地主義的社会との闘いを描いた大長編作品。(あるぼりーと)



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