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【書評】勅使川原真衣『「能力」の生きづらさをほぐす』【ひとことレビュー#4】


勅使川原真衣『「能力」の生きづらさをほぐす』どく社,2022年. 書影
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「仕事ができない、能力が低い」と上司に言われ会社員2年目の息子ダイのもとに死んだはずの母がゆうれいとなって表れ、親子の対話形式に「能力」のカラクリを語る。

能力や能力に対する評価がいかに曖昧なものなのか。教育社会学をベースに著者がゆうれいかーさんとして子ども達に話すエピソードは、わたし自身も思い当たる節が複数ある。きっと読み手それぞれに思い当たりがあるのではないだろうか。自己研鑽も大切だけど、この本で書かれている視点もぜひ知っておいてほしい。

(ハナウタリスタ)


目次

プロローグ 母さん、僕は仕事のできない、能力のないやつですか?

第1話 能力の乱高下
第2話 能力の化けの皮剥がし―教育社会学ことはじめ
第3話 不穏な「求める能力」―尖るのを止めた大学
第4話 能力の泥沼―誰も知らない本当の私
第5話 求ム、能力屋さん―人材開発業界の価値
第6話 爆売れ・リーダーシップ―「能力」が売れるカラクリ1
第7話 止まらぬ進化と深化―「能力」が売れるカラクリ2
第8話 問題はあなたのメンタル―能力開発の行き着く先
第9話 葛藤をなくさない―母から子へ

エピローグ 母さん、ふつうでない私は幸せになれますか?


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